3月 24 2011

歴史が浅いと言われる国で出会った古代遺跡、
メサベルデ 〜グランドサークルの旅〜

Mesa Verde National Parkむかしむかし、標高2600mの高地に住んだ先住民がいた。彼らは狩猟や採集をし、農業を営み、カゴや土器を作る高い技術を持っていた。地面に穴を掘っただけのような簡素な竪穴式住居から、木と泥で作った住居、そして石とレンガを組み合わせた住居へと建築技術も進化させた。メサ(台地)の頂上に住んでいた彼らがなぜ、突然不便な断崖の窪地に住むようになったのか。そして、高い文明を築き繁栄しながらもなぜ、彼らは突然姿を消してしまったのか。その理由は分かっていない。

Mesa Verde National Park私、こういう謎めいた感じ大好きです。ドキドキワクワクしちゃいます。ここはコロラド州南西の端にあるメサベルデ国立公園 (Mesa Verde National Park)。標高2000mを超える山の上。「自然」が創った遺産ではなく、「人間」が残した遺跡として唯一認定されてる国立公園です。また、アメリカで始めてユネスコに登録された世界遺産でもあります。園内ではこの高地に住んでいたとされる古代人、「アナサジ族」が残した住居跡など、4000を超える考古遺跡が発見されています。「アナサジ族」は白人がまだアメリカ大陸にやってくるずっと前、日本が古墳時代から飛鳥時代へという西暦550年頃からこの辺りで独自の文化を築き繁栄した部族だそうです。普通に台地の上に住んでいた彼らが、危なっかしい断崖に住居や神殿を構えたのは1100年頃のこと。「敵から身を守るため」と考えられてるようですが、はっきりとした定説はないそうです。

Mesa Verde National Park写真の断崖住居、スプルース・ツリー・ハウス(Spruce Tree House)は園内の中で比較的新しいとされてる遺跡で、日本が鎌倉時代だった1200年から1280年頃の間に作られたそうです。すごいんですよ、この住居。114ものお部屋がある2階建て、3階建ての集合住宅で、トウモロコシや豆などをすり潰していただろうとされるキッチンや、キバという儀式に使われたとされるお部屋が地下に8つもあるんです(右の写真)。1つのキバだけ開放されてるので入ってみたんですが、ちょっと感動しちゃいました。キバ部屋の中に火を焚く場所があるんですが、ちゃんと換気口があり、更に、炊いた火が消えないように、石をおいて風を遮る工夫が施されてるんです。しかも、キバ部屋の形は奇麗な円形(私など奇麗な円を書くことさえできないというのに)。この断崖住居は、枠組みは木、壁は日干しした煉瓦、接着は泥という材料で建築されてるそうです。煉瓦はまだしも、枠組みの木が当時のままというのには驚きました。更に、接着時に付いたと思われる先住民の指の跡が煉瓦の上にしっかり残ってるんです。なんだか古代人の息吹に触れたようで、ロマンを感じてしまいました。2枚目の写真に窓があるのが分かるでしょうか?  四角いのとT字型の窓があるんですが、T字型の窓はドアとして使われてたんではないかと考えられてるそうです。この集合住宅には100人くらいが住んでいたそうなんですが、建物全体の広さといい、窓やドアの大きさといい、どうやらアナサジ族は随分小柄な人々だったようですね。以上、パークレンジャーさんのお話より。

Mesa Verde National Parkこの断崖住居を築いてから約100年後、全てを放棄したままアナサジ族は突然姿を消してしまいます。このメサベルデだけじゃなく、南西部に住む全てのアナサジ族が消えてしまった集団的蒸発です。その理由もどこに消えたのかも謎のまま。ただ、過去数度にわたり干ばつが起こったことが木の年輪から解析されてるそうです。中でも1275年に起こった干ばつは極めて深刻で、20年以上にもおよぶものだったと推定されているそうです。アナサジ族消滅期とほぼ重なります。自然の猛威によって文明が衰退した、ということなのでしょうかね、多分、きっと、いや違う!?

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
カテゴリー: 旅行, アメリカの旅 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)